妖怪男ウォッチ

恋愛文化人類学が趣味の外資アラサーOLによる、ラブ魔窟サバイバル記録。

「いつも笑顔で明るい女が好き」。「都合のいい人外」を求めるポジティブ信仰男

女子が言う「包容力がある男の人が好き♡」は「自分の悩みや感情を全部受けとめてくれて、自分を全肯定してくれて、弱さやネガティブさを見せない」地母神タイプの人外を求めていることがある、と書きました。

婚活女子がよく言う条件「一緒にいて楽しい人・価値観が合う人がいい」がゆるふわすぎて危ない - 妖怪男ウォッチ

で、これと似た男性バージョンが「いつも笑顔の人がいい」「いつもポジティブな人がいい」「いつも穏やかな人がいい」「尊敬できる女性が好き」「いつも癒される女性がいい」です!!!

うんうん笑顔は最高だよねーときめくよねー癒やしだよねーなどと軽く流してしまいがちですが、じっくり話を聞いてみると「それって女性に人外になれって言ってる???心を殺して欲しいマン?欲しいマン?」と詰め寄りたくなる案件、けっこうあります。

インタビューをもとに共通項をどかんと解体してみましょう!

事例1:「愚痴は君らしくない。いつも笑顔でいてほしい」男

インタビュイー。既婚の受付嬢。彼氏が途切れたことがないモテ子で、合コンで知り合った東大卒商社マン男性と入籍。

 ぱぷ「新婚生活どう〜?ラブラブ?」

「ぶっちゃけもうきつい」

ぱぷ「え!?なんで!?まだ1年も経ってないけどどーした」

「なんだろう……ずっと一緒にいるのが苦痛?なのかな?」

ぱぷ「???結婚ってずっと一緒にいるためにするものじゃないの???」

「ほらうち、彼がアジア駐在だったからしばらく遠距離だったじゃない。だから結婚するまで一緒に暮らしたり、生活をともにしたことがなかったんだよね。まあ、うちは親が厳しいから、結婚前に一緒に住むとかたぶん絶対に無理だったとは思うけど……でも正直な話、彼の生活スタイルが見えてなかったのは想定外だった」

ぱぷ「確か夫ぴぴ、開成東大商社マンという、絵に描いたようなエリートだよね。エリートによくある『母親が専業主婦で家事をしたことないパーソン』だったとか?」

「それなら全然いいよ〜〜〜それぐらいは想定してるし余裕で対応可能だよ〜〜〜何年エリート落とす修行してきたと思ってんの〜〜〜。一番のストレスはね、『いつも笑顔』を求められるところ!

確かに付き合ってた時は、いつも笑顔で優しくふるまってたよ?しょっちゅう会う相手じゃないし、数十時間ならキープぐらい余裕でできますよ。結婚を決めたかったから、理想的な家庭を想像しやすいようにニコニコ営業してましたよ。でもさ、いざ結婚したら24時間365日一緒にいるわけじゃない?いつも笑顔なんて無理じゃない?そもそも私、仕事で笑顔を貼りつけてるから、家では表情筋を休ませたいの!なのに彼、私が真顔でで家事をしていると『君にはいつも笑顔でいてほしい。幸せな家庭を感じたい』とか言ってくるんだよね。なんかどうも彼の母親がデフォルトで口角が上がってるタイプだったぽくて『母親はいつもにこやかに楽しそうに掃除をしていた。鼻歌を歌っていたよ。あの幸せな気持ちを家庭で味わいたい。いずれ自分の子供にも与えたい』とか言ってくんの。専業主婦のママに世話されて育ってきたからマザコン気味なのもわかってたけどさ〜〜〜」

ぱぷ「笑顔で家事をしろとはまた斬新だね???歌いながら小鳥さんに呼びかけながらの家事ってそれなんてディズニー。ていうか、Nちゃんがいつも会う時に笑顔だったから『きっといつも笑顔でいてくれる女性に違いない!結婚しよう!』ってなったのでは?では?」

「そーだと思う。あー失敗したわーもうちょっと不機嫌モードもがんがん出せばよかったーーー。なんかもう、とりあえず絶対に結婚したかったから衝突は全力で避けて、自分の意見とかほとんど言わなかったんだよねーーー」

ぱぷ「結婚したすぎて、気になることをスルーするのはあるある話すぎますが……えーと、結婚前になんか兆候はなかったの?」

「あった。私が仕事の愚痴とかを話した時、ただ『大変だったね』って言ってほしいだけなのに『僕だったらこうして改善提案をすると思う』『改善案のない愚痴はただのエネルギー消費だ』とか言ってきてさ。

『そうだね、すごく参考になる。さすがだね。でも、今はただ話を聞いてほしいかな。ちょっと落ち込んでるの』って褒めながら優しく言っても『落ち込むなんて君らしくない。君がそんなつらそうにしているのを見たくない。君を助けたいんだ』ってまた改善案の話に戻るか、『悪い言葉を吐く人のもとには悪い縁が寄ってくる。父がいつもそう言っていたし、実際に父は弱い言葉を避けることで成功した。だから僕は絶対に弱音を吐かない男になろうと思って生きてる』とか言ってくるんだよ……君らしいってなに?それはあなたが見たい『私像』であって、目の前の私ではないのでは?って感じ」

ぱぷ「改善案の提案はエリートコンサル脳男あるあるだけど、精神論・根性論・引き寄せの法則を併発させてるとは、ブラック企業ベンチャー男の香りがするね???自分が弱音を吐かない男になるのは勝手だけど、なぜそれを妻にも求めるんだ。ていうか夫ぴ、弱音を絶対に吐かないハードボイルド父といつも口角が上がってるスマイル母のもとで育ったってこと?ポジティブサラブレッドすぎない?」

「そうなんだよね……いやそう。ていうか義父が弱音大嫌いだから、義母がいつも笑顔になるのは当然かも。彼の家にいくといつも円満すぎてこわいんだよね。ダーク要素がなんもなくて、なんかそういう演出の劇を見てるみたい。でもさ、最初の頃は『受け入れられた!』『いい人たちっぽそう!』と思ってたんだよね。気に入られたくて必死だったし、1〜2回程度会うだけじゃ全然わかんない」

ぱぷ「両親についてはまったくそのとおりですが。でも、結婚前に彼へ違和感はあったんだよね」

「そうね。私の機嫌がいい時はすっごく仲良しなんだけど、私のメンタルが崩れると、彼が焦る。で、なる早で私を元に戻そうとする。だから改善提案とかパパの話とかママの話とかめっちゃしてくるんだと思う。

さすがに『なんか私の話を聞いてくれてないな?』って思ったけど『まあ男の人って共感より提案しがちだし』って流しつつ、『私のことめっちゃ好きだし、言うこと聞くし、結婚してから教育すればいっか』『それより30歳になる前にとりあえず籍をいれたい』って気持ちの方が先に立ったからスルーしたのよ……だけど今、毎日ずっと笑顔を求められるし、メンタルが崩れたり不機嫌になると彼のポジティブ注入がくるし、本当にストレス。もうあまりにストレスすぎるから、彼の前で愚痴を言うのはやめた」

ぱぷ「え、Nちゃんってめっちゃ人に話をしたがるタイプだと思ってたけど、それもまたストレスになんないの?」

だいじょうぶ!元カレに連絡してるから!生活とか既婚ステータスは夫で安定できるけど、やっぱり精神の安定は複数名に頼ったほうがいいよね♡いやーやっぱり元カレっていいよ。昔の愚痴りまくりだった私のことをよくわかってるし、共感してくれるし、なぐさめてくれるし。元カレ8人いるから選び放題だし。てことで絶賛不倫中です♡もう1人増やすかもー♡

ぱぷ(そういうオチかよ!!!!!)

突っ込みどころがありすぎて、ホワイトボードが欲しくなったよね。

 

似た事例としては、アルテイシアさん連載「「彼氏はインテグレートなアナル小」不安が消えないバリキャリ女子にカウンセリング① 」があります。

忙しい人のためのサマリ

インタビュイー:大手広告会社で働くバリキャリ美女。3つ年下の会社の後輩を、頑張ってアタックして落とした。

後輩彼氏サマリ

  • 「尊敬できる彼女」が好き。
  • 会社で馴れ馴れしい態度を取ると「大人なIさんでいてほしいから、わきまえてほしい」と言われた。
  • きちんとしていないとダメ。体調が悪くてデートに遅刻するのもイヤ。
  • 過労とストレスで体調を崩して病院に通っていた時、会社にすっぴんで行ったら「疲れててもちゃんとキレイにしてほしい」と言われた。
  • 「しばらく距離を置こう」と話し合った結果、「体調が悪くてすっぴんで来ることやデートに遅刻することは切り離して考える、そこは譲歩するからやり直そう」と言われた。

 アルテイシアさんが「それ無理じゃない?」としか言ってないことに、24時間全自動アグリーマシンを使って賛同したいお気持ち

事例2:「生理での感情の揺れって甘えだよね?」男

インタビュイー:イベントディレクターの男性。3年付き合っているプチ遠距離の彼女がいるが、会社に来るインターン女子大生にも手を出していて、いつも2〜3人の浮気相手がいる。

共通の知り合い「こいつまじでクズで女泣かせのJDキラーだから、ぱぷさん話を聞いてやってよー」

ぱぷ(すごい丸投げきた)「こんにちは!女子大生を食っては投げ、食っては投げしてるとうかがいましたが」

「あーまあそうっすね。うち毎年インターンでいろいろ来るんで、優しくして仕事できるところを見せて、就活の相談に乗って面接アドバイスして相手にメリットを与えつつ、ごはんを奢ってボディタッチして壁ドンすれば一定確率でやれます」

ぱぷ「やっぱりその手デスヨネー。女子大生が大好物だとうかがったんですけど、彼女さんは年上なんですよね?どういう女性がタイプなんですか」

「俺はいつも穏やかな女の子が好きなんですよ」

ぱぷ「ああ、精神が安定している人は私も男女問わず好きです」

「感情の揺れ幅が少ない女の人って少なくないですか?だから今の彼女はレアなんですよね。女子大生は体だけで十分です。つきあうとか絶対ムリ。ただでさえ女の子ってすぐ感情的になるし、年下から『年上に甘えて当然!』って感じでこられるの本当きつい。女の子ってなんであんなすぐ感情的になるんでしょーね

ぱぷ(いきなり赤信号ついた)「えーと、年上に甘えるのと感情の話がまざってません?男女問わず、人間は感情と理性を持つ生き物なのでは……(というかなにその極端な二元論??デカルトデカルト?)」

「いやー男って生理で荒れるとかないじゃないですか。でも女の子って『生理だから』とかって言って感情のコントロールをしようとしないですよね。なんかそういうのに女ならではの甘えを感じるんですよ。なんかストレスをまとめてぶつけてもいい機会みたいに使ってる感じがする」

ぱぷ「PMSは人によると思いますけど、ホルモンバランスが崩れる生理現象なうえに、ひどい人だと動けないぐらいの激痛なので、わりとアンコントローラブルな部分もあると思うんですが……」

「ストレスがあっても、それを人に見せず、抑制しようとするのが理知的な人間だと思うんですよね。生理だからって感情の上下を他人に見せるのはみっともないし、自分を制御できないなんて甘えてるだと、俺には見える」

ぱぷ(心を殺せマンかな?)

「でも俺、これでも生理についてはだいぶ寛容になった方ですよ。生理に限らず、こいつ感情的だなって思ったら『お前は感情的になってる頭を冷やせ』って激詰めして黙らせるんですけど、生理についてだけは『まあ生理現象だし』ってスルーするぐらいにはなりましたし」

ぱぷ(心を殺せマンだ!)「激詰めして黙らせるって、え、それってどんな話題でもそうするんですか……?話し合い……とか……は……???」

「話し合いは、相手が感情的にならない時だけですね。感情的な話だったら、もうそれだけでアウトで、話なんかしないですよ。本当にちゃんと人間同士として話し合いたいなら、冷静に理知的になるべきであり、感情を交えて話すべきではないですから」

ぱぷ(心を殺すべきマンに進化した)「えーと、例えば具体的にどういう話を感情的だと感じるんですか」

「他の女にも手を出してるんじゃないかとか、LINEが怪しいとか」

ぱぷ「実際に手を出しまくってるのでは???いや、そういうグレーな話題っていうか真っ黒な話題、相手は不安なのでどうしても感情の揺れ動きは出るのでは……??そしてその感情を揺さぶる原因を作ってるのは御身では……?では……??」

「まー俺もやることはやっちゃってるからあれなんだけど、それ以上にもう本当に、女性のヒステリーとか感情的な状態が無理すぎて、もう見た瞬間に攻撃せざるを得ないんですよね。だから徹底的に論理詰めして黙らせる

ぱぷ(それは論理的なの!?自分の激情に身を任せて攻撃性を抑えられないのは、御身の論理からすればそれこそ『甘え』で『非理性的』なのでは!?!?…………この論理破綻ぶり、自称ロジカルでは!?!?!?!?!?)「………………えー、なにから言おうかな。うん、えーと、そういうことをされると思いっきり女性は傷つくと思うんですけど、関係破綻しないんですかそれ」

「まあ別れる時もあるけど、別にインターン女子大生は毎年くるから、別に問題ないですね。あと、詰めたら黙る子もそこそこいますし。感情的な女の子って、強く出てロジックで詰めると反論できないから、おとなしくなる子が多いんですよ」

ぱぷ(それはロジックに対して黙ったのではなく、あまりにも理解不能なことを堂々と言われると人間はフリーズして思考停止してしまうからですよ)

「うちの母親とか同じタイプだったんでわかります。詰めて黙らせると機嫌悪くなるけど、あとから優しくして抱きしめてベッドになだれこめばもとどおりですから」

ぱぷ(都合が悪くなるとパスタの話か壁ドンしてごまかすメソッドとのコンボ。これは丸め込まれる!)

「彼女はやっぱり年上なせいか落ち着いてるし、感情的にならないタイプだし、プチ遠距離だし、ぜんぜん浮気とか疑わないし、感情の爆発がないから長く続けられてます。結婚も考えてますよ」

ぱぷ「ちなみにその地母神彼女さんが仕事のストレスなどで精神が不安定になった場合ってどうするんですか。見守ったり支えたりとかは……」

「いやー、別れますね。俺だって仕事が激務だし、たまに睡眠薬を飲んでるぐらいなんで、余裕なくてぎりぎりで生きてるし、メンヘラの女はただやるだけならいいけど、彼女ポジションは無理です。どんなに長く付き合っても別れるかな。うん、やっぱりいつも穏やかな女の子じゃないと無理なんですね俺」

「いつも穏やかな女性が好き」という言葉の背景が禍々しすぎます。

 ちょうど女友達の彼氏が、浮気バレをしそうになった時に「感情などという非科学的なものがあるから、人類は21世紀になっても戦争などという愚かなことをしている。人類は進化しなければならない」などと超ウルトラあさって方面な言い逃れをする、自称ロジカル男&感情を殺せマンだった事例があったので「わかる~進研ゼミでみたやつだこれ~~~」マインドでどうにか切り抜けられましたが、予防接種をしてないとマジで丸め込まれるし、予防接種してても精神が混沌の海にたたきこまれるので本当につらい。

共通点は「マイナス感情の全面拒絶」

3つのインタビューには下記の共通点があります。

  • 相手のマイナス感情やネガティブ感情を全面的に認めない
  • 「ポジティブで明るくてごきげんな相手」を24時間営業体制で求める
  • 相手がマイナス感情を出した場合は非難する、あるいは改善させようとする
  • 説得のために「もっともらしい」理由を並べる
  • 自分ルールが多く、「べき」「すべきでない」などを多用する
  • マイナス&ネガティブ感情への拒否感覚が強い

つまりは「相手に、ポジティブな面ばかりを求め、ネガティブな面を認めずに拒否する」

インタビュー 2の事例は『先生の白い嘘』で鬼畜DVサイコパス男として名高い早藤氏を彷彿とさせる、わかりやすいモラハラぶりですが、インタビュー1やインテグレート後輩は、一見いいことを言って、相手のことを尊敬しているふうに見せておきながら、実は「ネガティブ発言をするなと抑圧する」言動を見せています。

先生の白い嘘(7) (モーニングコミックス)

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この「一見いいことを言っている風のネガティブ感情の否定・拒否」は、わかりやすいモラハラよりもある意味で厄介です。なぜならもっともらしいがゆえに反論しづらく、反論しづらいがゆえに「彼の言うとおりだ」と従ってしまう女性が後を絶たないからです。

「ネガティブはよくない」論に従ってしまう要因

1のインタビューでは女性側が「夫をスルーして不倫」という外注ソリューションを選んだためにそこまでやばい話にはなりませんでしたが(別の地獄みはあるけど)、女性が下記の要素を強く持っている場合、ことは深刻になります。

  • 社会的常識や「べき論」に従う優等生気質の性格
  • 周りの目線を気にする
  • 人から嫌われることが怖い
  • 我慢=美徳だと思っている
  • 「男・女はこうあるべき」というジェンダー規範が強い
  • 彼に嫌われたくない、好かれたい、という恋心が強い
  • とにかく結婚したい、という焦りがある
  • マイナス感情やネガティブ感情への引け目がある

そもそも「ネガティブな感情」「マイナス感情」には、下記のような言説・イメージがついています。

  • 社会規範:「ネガティブな発言はよくない」
  • 対人関係:「ネガティブな人は他人に嫌われる」
  • モテテク:「いつも笑顔で明るい女性がモテる」「男性は癒やしを求めている」
  • 引き寄せとかそういうあれ:「ポジティブな人のところにはよい運がやってきて、ネガティブな人のところには悪い運がやってくる」 

これらの外部の意見をまったく気にしない人もいますが、周りの意見や世間の目を気にして我慢しがちなタイプ、親や先生の言うことに従ってきた優等生タイプは、「ネガティブ感情は良くない」「いつも明るくいるべき」という「ルール」を提示されると反射的に自己を抑圧しにかかりがち。

もっともらしい理由の背景にある、自己都合の拒絶

しかし、よくよく観察してみれば、さまざまなもっともらしい理由を述べてはいるものの、彼らが言っていることは

「自分が不愉快になるから、ネガティブなことを言わないでほしい」

「自分の理想とルールが崩れるから、マイナス感情を見せないでほしい」

という、自己都合の拒絶です。 

しかし、彼らは「俺が不愉快になるのはイヤだし、受け入れるつもりもないから、つらさとか見せないでくれる?」と正直には言いません。だいたい「ポジティブみ」か「破綻論理」、どちらかを使ってもっともらしい理由づけをして抑圧しにかかります。

  • ポジティブみで抑圧「ネガティブなことを言うと君のためにならない」「いつも明るい君でいてほしい」「そんな根暗なことを言うなんて君らしくない」
  • 破綻論理で抑圧「感情的だよね」「ロジックが整理されてない」「人類は感情を殺すべき」

 このように一見もっともらしい「べき論」を用いられると、自己を抑圧しやすい女性はだいたい従ってしまいます。

ポジティブ信仰男を見抜けない&別れられない理由

「そんな無理難題を言われたらすぐ別れるわー」「そんな男、別れればいいじゃん」と周りは言いますが、なかなか難しい理由があります。

  • ネガティブ感情の全面拒絶が、ある程度の期間をかけないと見えてこない
  • ある程度の期間、付き合ってきた経験があるため、相手に疑問を抱きにくい
  • 反論しづらい
  • 相手が変わってくれるかもしれない、という期待がある

彼らポジティブ信仰マンたちがその本音をさらけ出すのは、ある程度のお付き合い期間を経てからのことがほとんど。なぜなら恋愛初期は男女ともに浮かれており、お互いのいいところしか見ないし、自分のいいところしか見せないから。

しかし、ある程度の期間を経れば、お互いに自然体で過ごすようになり、意見の違いなども見えてきます。外部環境も変わります。転職した、新任の上司と合わない、病気が発覚した、親が倒れた……など、さまざまな問題が降り掛かってくれば、付き合いたての「ちょっと無理してるキラキラお花畑モード」を維持できなくなり、シリアスモードになります。

この時、「いつも笑顔がいい」タイプの男性は激変します。彼らにとって恋愛とは「恋愛のキラキラ楽しいモード」のみのことを指しており、相手のつらい時期を一緒に乗り越える気などさらさらないからです。

感情を拒否されても笑顔をキープして病んでいく

つらい時期に拒絶を受けた彼女陣は、戸惑いながらも「自分が悪いのかも」「自分が我慢すればいいのかも」と思って、関係を続行しようとします。

これまで仲良くケンカもせずに付き合ってこれたし、大事にしてくれた、という経験があるため、「なんでいきなり突き放すんだろう」「自分の話を聞いてくれない」「受けとめてくれない」と不満を感じながらも、

「でも確かに相手の言うことは正しい」

「ネガティブで弱い自分がダメなんだ」

「もっと明るくならなければ。彼の言うとおりにしなければ」

「女は明るくご機嫌でいるべきだって、モテ本にも書いてあったし」

と思い詰め、「べき論」で自分の感情を押さえつけ、ますます病み、傷つきやすくなるループにはまり、人によっては入院騒ぎになります。こうなると「いつも明るい君が好き」パーソンにとっては魅力ゼロなので振られることに。

ここから先は、さらなる自己嫌悪と闇落ちループが加速するのが王道です。

「他の女性みたいに、明るくいられないから振られた」

「弱い自分がだめだったから、彼に愛想を尽かされた」

と自分を責める地獄ループまっしぐら。

結論。闇があるから光がある。人間をやめるべからず。

「いつも笑顔でいるべき」と言いながらダークサイドを拒絶する一派がやっていることは、生身の相手を見ようとせず、自分の理想の鋳型に相手を当てはめようとする行為です。その鋳型が「いつも穏やかな地母神」「すべてを笑顔で受け入れる聖母」で、つまりはもう人間じゃないんですよね。

「都合のいい人外」を求めて、生身の人間に無茶振りを言っているだけ。

 

ここで基本中の基本に立ち返りますが、そもそも人間は、ポジティブな時もあればネガティブな時もある生物です。

天地創造をした神だってまず闇を認めてから「光あれ」と言っているし、陰陽思想だって陰と陽のバランスを重視しています。光と闇、陰と陽、プラスとマイナス、ポジティブとネガティブ、生と死、ライトサイドにダークサイド、人間に限らず、森羅万象は「ずっと同じ」という状態を継続するわけではなく、両極を揺れ動きながら回っています。なのに片方を無視して否定しようとすることは、24時間ぶっ続けの昼を求めるようなもの。バランスが崩れて焦土になるのは宇宙の理です。

 

 「いつも笑顔の人がいい」「いつも穏やかな人がいい」と言いながら、相手の弱さや闇を受け入れず、明るく楽しい面ばかりを求めようとする人は、森羅万象の理を根本的に理解していないと思われますので、陰陽の図をスマホの待受画像に設定し、自分が生身の人間ではなく地母神あるいは聖母という非実在生物を求めていることを見つめ、「なぜ自分は楽しく明るいものばかりを求めようとするのか」「なぜマイナスや闇を拒絶しようとするのか」「何を恐れているのか」を哲学することをおすすめします。

ていうかもうとりあえず陰陽の理を学ぼう。ね。悪いこと言わないから。

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「ネガティブなことを言ってはならない」と思いつめている女性陣におかれましては、どうぞ人間をやめないでいただきたい。自分の感情を否定して抑圧すると、いずれ無理がきて爆発し、回復するまでに多大な時間・入院費・キャリア・信用といったコストを支払うことになります。

恋愛相手ならまだしも(だいぶイヤだけど)、結婚相手(あるいは候補)のポジティブ信仰がひどいなら立ちどまったほうがいい。

人生は山あり谷あり、ハプニングとエラー対応の繰り返しなので、「楽しい時間しか一緒に過ごせない相手」と何十年も一緒にいる前提の契約を結んだら、すさまじい負荷が待ち受けています。

下記の言葉に本気でイエスと言える人か、この言葉を実行できる人か、という点から見ることを推奨します。

「健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか」

いやーつくづくよくできてる言葉だと思います。結婚という人生の選択をする際に、きっちり見るべきポイントを抑えてる。これ、結婚式じゃなくてその手前の結婚検討段階で、皆100回ぐらい読んだ方がいいよ。

私たちは健やかになったり病んだりする人間です。

人外になる必要はないし、なれません。

自分は人間をやめない。相手にも人外になることを求めない。

お互いへの「敬意」って、こういうことなんじゃないかなーと思います。本日は以上!

 

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ロジックツリーを伐採して燃やし尽くす 「自称ロジカル男」の詳細分析してます。宝島社さんは会社として電子書籍をつくらない方針なので、残念ながらKindle版は出てません><

モラハラ男・自称ロジカル男にひっかかりやすい「妖怪男のエサ女子」を分析してます。「いつも笑顔でいなきゃ」と思い込んで無理しまくると、いつも笑顔で彼を受け入れようとする「私が彼を救う女子」になるし、けっこうなる人が多いから注意★だ★ぞ★★★

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先生の白い嘘(7) (モーニングコミックス)

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 最近は雑誌でも読んでるんですけど、モラハラDVサイコパス男の極北、早藤が高校生の時に「女って思考とかあるの?」とナチュラルに発言してるところがあって「サイコパス~~~~~サイコパス~~~~~~でもこういうことマジで言うよねサイコパス~~~~~」とサイコパス運動を踊ってしまいました。隠れてるだけでマジでいるからね。こういう人。ほんと怖い。

 

ハートマン軍曹ですっかりネタ化されてるけど、戦争によって人間が心をどのように麻痺させていくか、という切り口で、大学で教材として見た記憶。

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

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戦争における「人殺し」の心理学 (ちくま学芸文庫)

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人間ってもともと「人を傷つける」ことに根本的な恐怖を抱く生き物らしいんですよね。だから訓練で「人を傷つけても平気」なように心を殺す練習をさせる。21世紀になってからはドローンとか使って遠距離から攻撃できるので、良心の呵責そのものを減らせるから楽なんだとか。