「彼といると成長できるの☆」が危ない。ブラック企業男に引っかかる恋愛社畜女
今月初旬に、ワタミが創業以来最悪の営業赤字を記録したとのことで、大変めでたいことですね。善意の奉仕を当たり前に要求し、適切な対価を支払わらない企業はビジネスモデルが破綻してるので、可及的速やかに自主ソドムゴモラしましょう!滅びちゃお?ね?
ブラック企業を嫌う20代女子が、恋愛ではホイホイ社畜化
「ブラック企業」は就職希望者にとってはもっとも避けたい地雷源。そうだよねー対等じゃないの嫌だよねー搾取されたくないよねー。うんうん。
にーもーかかわらず!ブラック企業の地雷源を避けまくる20代女子が社会人になった途端、年上男性に女として”教育”されることで「圧倒的成長」を感じる、恋愛版「ブラック企業の社畜化」現象が見受けられます。
「彼と一緒にいるようになってから、自分、成長したなって思う」
「彼は私のダメなところを気づかせてくれた。これまでの自分が甘やかされていただけってわかる」
「教育されてるの、私w」
「せっかく呼ばれたんだからすぐ行かないと、彼を幻滅させちゃう。せっかくこの前、これからに期待してるって言ってくれたのに」
「彼みたいな優秀な人のそばにいるとすごく勉強になる」
その彼氏、もしや個人型ブラック企業では?
恋愛で「教育されてる」「成長してる」ってキーワードが出てきたら要注意。それ、ブラック企業の頻出ワードだからな。
というわけで今回は「ブラック企業男」、それに引っかかって「圧倒的成長」を感じる「恋愛社畜女」を考察します!
ブラック企業とブラック企業男の共通点
- 根本的に関係が対等でない
- 自分には、相手にない豊富なスキルと経験がある、という立場をとる
- 自分たちが有利なポジションと環境を崩さない。歩み寄りを見せない
- 「こうした方がいいよ」という改善提案・アドバイスに見せかけて、自分に都合がいい要求をする
- 「君にはポテンシャルがある」という。実力はないが成長する余地があると、自尊心をくすぐりながらサクセスプロセスを提示する
- 「教育者」として「成長のチャンス」を与えていると思わせる
- 自分の思い通りの動きをしたら褒めた後、次の要求をする
- 要求どおりにいかない場合は飽きれて見捨てるそぶりをする。もしくは「お仕置き」「教育」という名で、わざと傷つける行為をする
- 「これは君のための試練だよ。自分だって苦しい」というポーズを見せる
- 定期的に、相手の自尊心を折る言動をする。「自分はできない。期待に応えられていない」と思わせる
基本的に、この手のタイプは会社では優秀で認められています。入社して間もない女子が「仕事ができて格好いい❤︎」ってなるタイプ。見た目はとても魅力的です。まあ、ブラック企業も理念とかはカタカナいっぱいでクールだしね。一緒一緒。
代表的なのが、会社で出会う2〜3つ上の先輩や上司。会社以外だと、合コンで人気のハイスペ男子などですね。女性に知性を求めないタイプのハイスペ男・コンサル男にも、このタイプが多いです。
恋愛社畜化する女子の特徴
そんな「優秀で仕事ができるブラック企業彼にはまる女子」の特徴はこちら!
- 優等生出身、大手企業に入社など、王道パティーンの人生を歩んでいる
- まじめで向上心がある
- 同期の中では優秀な方
- 同期男子に物足りなさを感じている
- 「自分はそこそこ優秀」という自負がある
- 人生で大きな失敗をしていない
- 自分の人生は概ね肯定できているが、根本では自信がない。優等生であること、大きな失敗をしていないといったことへのコンプレックスを消化しきれていない
ポイントは「そこそこ優秀」「これまで大きな失敗をしていないこと」というところです。この自負を折りにかかり、コンプレックスを刺激し、支配下に置いてくるのがブラック企業メン。
人間性ではなくスキルに恋をする「スキル恋愛期」
恋愛社畜女子は基本的に同じ年齢のコミュニティではアッパークラスに位置しているので、同期男子には「しょーじきつまらん」という物足りなさを感じています。そこに圧倒的に仕事ができて、自分より知識も経験があり、自分がかなわないと思う相手が登場すると、脳皮質がわっしょい活性化。
「私なんて全然かなわない!」
「心から尊敬する人に会えた!」
「あの人に近づきたい!」
という向上心とコンプレックスが恋心に爆速コンバート。で、ブラック企業男子からすれば「教育できる対象」がカモネギでやってくるわけですから、これほど相性がいいカップルもない。
「尊敬できる人がいいの」って、バリキャリ女子はよく言いますが、これって要は「人間として成熟してる人を尊敬する」という意味ではなく、「自分の向上心を燃え立たせてくれるスキル・経験のある人を尊敬する」って意味で、人間性ではなくスキルに恋してることがほとんどです。
仕事ができるバリキャリ女子ほど、20代半ばに高確率で不倫にはまりやすいのは、向上心と恋愛の区別が付いてない時期だから。ブラック企業を見分けられない新卒と同じ。
スキル恋愛期に恋する相手=ブラック企業男
で、こういう「スキル恋愛期」に関係が進展する男性のうち多くは「能力とスキルはあるけど人間的にはアウト」なハイスペモラハラ男だったり、チートできる年下市場でワンチャン狙う不倫おじさんだったりします。
ブラック企業男は最初「君は頭がいいね(だって俺と話ができるからね)」と見初めたポーズを見せてきますが、徐々に要求をガンガン釣り上げてきます。
「おいしいよ。材料がいいからね(材料いくらしたと思ってんの?)」
「俺はまだ仕事するから日経新聞でも読んだら?そこにあるよ(暇なら少しぐらい勉強して話にもう少しついてこれるようになってもらいたいね)」
と言ったことを平気で言うようになる。で、恋愛社畜女子は「頑張る!せっかく見初めてくれたんだから、そばにいて成長できるチャンスなんだから!」と、モラハラ被害者マインドにどっぷり浸かっていく。
なぜブラック企業男にはまる理由は「わかりやすいから」
能力が高くても人間的にクズな人間はたくさんいます。でも、社会デビューしたばかりの頃はスキルに目が向きがち。だってわかりやすいから。
恋愛初心者が「イケメン」「美女」に惹かれるのと同じで、経験がない人間は目に見えるわかりやすいものを基準に判断したがります。
世の中これほど「人間は見た目ではなく中身を見る」ことが美徳のように語られているにもかかわらず、ほとんどの人は「外見」、その次は「表面上の内面=スキル・能力」といった、表層のものに目を奪われて恋しちゃう。
「圧倒的成長」させてあげる男の動機は、見下しとプライド欲
ブラック企業男と付き合ってしまうのは、「周りが物足りない」という精神がブラック企業男と恋愛社畜女の両方にあるからです。
どっちも「周りの男はつまらない」「女はみんな馬鹿だ」と思っているから、そこそこポテンシャルがあると惹かれあう。で、女子の方が「自分をリードしてくれる人、尊敬★」となる傾向が強いので、「立場が上の男性×立場が下の女性」というカップルが生まれやすい。
「女は教育する対象」と思ってる男性の脳に、「フェアネス」「お互いへの敬意」という単語はありませんので、いつまでも対等でない関係のままです。
立場が上のブラック企業彼氏は絶対に自分が上の立場を崩さないし、女子は女子で「いつか並びたい」「ハイスペと結婚」という期待から、必死に要求に応えようとする。
でも忘れないで。彼はブラック企業。どんなに我慢して滅私奉公しても昇給はしないし、残業代もでません。
お互いの信頼、温かい絆、愛し愛される関係なんて夢のまた夢。
「圧倒的成長」をした女子の本音は、コンプレックスと自己正当化
不幸な恋愛にどっぷりはまってる女子はだいたい自分の恋愛を正当化したがるものですが、恋愛社畜女子もその例にもれません。特に「成長」というキーワードが出てきたら注意。なぜならそれはブラック企業が最もよく使う「言い訳ワード」だからです。
恋愛社畜女子が「圧倒的成長」をしたと思おうとするのは、まず「コンプレックスを解消したい」という願いがあるから。
主に2つの王道パティーンがあります。
自己評価が高い場合
- 「自分は周りより優秀と思ってたけど違った」というショック
- →「どうにかしてもっと成長したい」
- →「この人のそばなら成長できる!」
自己評価が低い場合
- みんなに褒められるけど自分は「しょせん凡人」と思ってる
- →「自分を目下扱いする男性こそ、本当の私を見ている!」
- →「彼のそばだと、自己評価と同じ扱いをされる」
どっちも結果は「やりがい搾取」で終わるわけですが、そもそも「コンプレックスを他人を使って解消しよう」と思うことが間違っている。
でも一度はまっちゃうと「私は騙されてない!自らの意思でやってる!」という自己正当化の心理が生まれます。別れたあとも、痛めつけられた経験を「なんだかんだ私も成長したし」っていう美談に丸め込もうとする。
「不倫で傷ついたけど成長もした」
「あの人は厳しかったけど学ぶことがあった」
ボロボロに傷つけられても、こういうこと言うんですよねー。
「150万円のツボを買わされた人が陥る心理」と同じです。「確かに150万円は高すぎたかもしれないけど、なんだかんだ色もいいし、物はいいし、部屋によく合ってるし」と、もう変えられない決定・行動を自己正当化し出す心理*1。プライドが高く失敗をしたと認めたくないタイプ、優等生タイプが陥りやすいです。
結論:恋愛で「成長・教育」と言い出したら関係を見直せ
イケメン・不倫・セフレに引っかかる予防接種はなる早で済ませておけってよく聞きますが、これはつまり、そこを突破しないと「表現上でない人間性」を見れるようにならないからなんじゃないかなーと思ってます。
というわけで、顔面恋、スキル恋はなる早で、できることなら20代前半までに済ませておきましょう。
どんなにすぐれた業績や能力、外部的(社会的)な評価があっても人間的にダメな人間はいます。自分自身が「つらい」「きつい」「しんどい」と思う、自分の気持ちを優先していいんです。「あのすばらしい人に認められない自分は、間違っているのではないか」と自分に鞭うって必死に頑張る必要はないし、痛い時は痛い!と言っていい。
- 私の努力が足りないから
- 彼はすごい人だから
- 彼と一緒に成長できる気がするから
- だって彼は「すごい」人で、私が悪いの
- だって「この私」が選んだ相手なんだもの
なーんて感覚があるなら、その恋もう一度見直してみてください。
特に恋愛で「教育・成長」とか言い出したら要注意!「お互いが」ならもちろん問題はないけど、「主に自分が」だったら危ない。
洗脳と支配からはダッシュで逃げろ!新興宗教やマインドコントロールからは物理的に距離を取らねば救われないぞ!物理最強!
間違ってもスキルに恋したまま結婚しないこと!「この人となら高みに行ける」とかないから!そこ断崖だから!スキル恋愛結婚は周りではほぼ離婚してます。理由はいわゆる「性格の不一致」。アーターリーマーエーーーーー。
「自分を削りながら付き合ってても幸せはやってこない、いわんや結婚をや」
はい復唱!ぱぷりこでした。
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ブラック企業という言葉を世に知らしめた、2chスレの映画化。映画では最後はブラック社畜やってワンチームでいい話、みたいになっていましたが、それを人は「洗脳」と呼ぶ。
なんなんですかね、この私ホイホイのタイトル。妖怪って見たらパブロフ即ポチですよ。わかってるのに悔しい…っ体が反応しちゃう…っ!
「自分はダメ人間だ」「もっと頑張らなくちゃ一緒にいられない」「他の女のところに行かれてしまう。見捨てられたくない」という気持ちで恋愛してる人はすぐ読みましょう。副題もいいですよ。「見せかけの愛で他人を苦しめる人」まさにこれ。
こちらは恋愛でカモにされないための予防接種用。セフレ、不倫にはまってる人は読むべし。「私は騙されない!」と思ってる人ほどカモになるよ、っていうチェックリストが秀逸。優等生ほど失敗した時に「失敗してないと思うために自己正当化して、この状況は自分が選んだんだ」って思う心理がよくわかる。
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