妖怪男ウォッチ

恋愛文化人類学が趣味の外資アラサーOLによる、ラブ魔窟サバイバル記録。

「俺メンヘラホイホイなんだよね」と自白する男性の9割は、本人が凶悪地雷源です

筆圧の谷にも春が訪れ、ようやくブログ解禁となりました。こんにちぱっぷー、ぱぷりこです。いやーまさか、2016年1回目の記事が3月になるとは。

そしてすみません、2016年もこのタイトル路線です。今年こそは妖怪☆男女☆ウォッチッチ☆とかではなく、キラキラ♡ハイスぺ♡VERY妻♡的なブログを目指そうと固く初詣で誓ったはずなのに、早くも撃沈の様相を呈しています。


さて、インターネットの民ならだれもが愛する「メンヘラ」の話題ですが、今回はたまに出くわす「自称メンへラほいほい男」について見てみましょう。 

「メンへラに好かれる俺」を見よ

大変話題になった現代ビジネスの「美女社長とAV監督のスナック人生相談」シリーズ。その中でも、二村ヒトシさんと川崎貴子さんがおののいた「編集者M君」はメンへラ女性にばかり引っかかってしまう、という話でした。

そんなメンへラほいほいのMくんを肴に、サバトが開催されました。「俺ってメンヘラホイホイなんだよね…」という男性に出会った瞬間に異常検知アラートがガンガンに鳴るタイプの女たちによる座談会記事がこちらです。

川崎 出会った男性から、「じつは俺、メンヘラホイホイなんだよね」って言われたらどういう反応します?

トイアンナ キターーーー!!

アオヤギ ひゃっほーーーー!!

ぱぷりこ なになに、どういうこと?? どんなことがあったのか話してみて???

二村 いやいや、あなたがたの反応はおかしいよ(笑)。普通はもっと引くのでは……。

 

「俺ってメンへラに好かれるんだよね~」と言う男性は一定数、生息しています。ついこの間も、婚活している女友達から「この前会った男性、俺メンヘラほいほいだからさ〜って言ってたんだけどどう思う?」という相談を受けたばかり。今回はそんな「メンヘラほいほい男」の特徴を見ていきましょう。

「メンへラほいほい男」は3種類いる

私の観測範囲とサバト参加した女性陣の話を突き合わせると、メンへラほいほい男は3種類に大別されます。

  1. 自虐風自慢男(70%)
  2. メンへラ製造機男(20%)
  3. ガチメンヘラほいほい男(10%)

各種別の特徴はこちらっ!

 1. 自虐風自慢

「メンヘラにモテちゃってる俺」を自慢する男性。多くの場合、「人の相談に乗ることが好き」「面倒見がいいから」という言葉とワンセットで語られます。「メンヘラほいほいなんだよね~」という時にアンニュイ嘆息しながらもうれしそうなので、簡単に見分けられます。

2. メンへラ製造機男

「メンへラ」を捕獲しているのではなく、製造する男性陣。主にモラハラ。自分の立ち位置を圧倒的上位に置き、恋人はパートナーという対等な関係ではなく、下位の下僕か何かだと思っています。「絶対君主彼」に認められようと精神を鰹節なみにゴリゴリ削った女子がメンタル闇落ちするパターン。  

3. 君が本物だ!真実のメンへラほいほい男

本人が望んでいないのに、メンヘラ女性にターゲットロックオンされる男性。上記2種類とは違い、嬉々として「メンヘラほいほい」を名乗ることはありません。本人よりも周りに通り名をつけられる人。この手の人は、相談に乗ってあげていたらア○ウェイだったなど、傾聴能力の高さが裏目に出るタイプです。

 

「三度のメシよりロジックが好き、ビジネスバカハイスペ」でないなら2の「メンヘラ製造機男」、そうでないなら1の「自虐風自慢」だと思っていいでしょう。

彼らがいう「メンへラ女子」って本当にメンヘラなの?

自称メンヘラほいほいの男性に話を聞くと、彼らが言う「メンヘラ」とはこんな感じ。

  • 「会いたい」と頻繁に言ってくる
  • 毎日LINEやメールで連絡を取ろうとする
  • その連絡のレスがない or 遅延すると怒られる
  • LINEやメールで深夜にポエミーな長文を送ってくる
  • あれして、これして、という要求がエスカレートする
  • 夜中に急に電話がかかってくる

ウキウキして話を聞いてみると「ん?それだけ?」とこちらが拍子抜けするものが多く、しょーじき「重い女」「めんどくさい女」「わがままな女」の域を出ない。

その彼女たちを「メンヘラ」と称して自慢の種とするのは、本当のメンヘラたるものをわかっておらず、単にキャッチーだから「メンヘラ」と言いたいからだと思われます。

なお「それは大変ですね…」とため息をつくメンへラリティ事例の参考はこちら。

  • リストカット常習犯
  • リストカット画像を送ってくる
  • オーバードーズ(OD)常習犯
  • 「死ぬ」「殺して」などの連絡
  • 上記にレスがないとリスカ・OD
  • (相手が浮気しているなどの)誇大妄想を元にしたヒステリック
  • 感情がヒートアップすると刃物を持ち出して刺しにくる
  • ガチ自殺未遂
  • 自殺

だいたい流血騒ぎです。が、慣れっこな男性にきくと「それくらい普通じゃない?」などと申すので、肩をひっつかんで「目を覚ませ!」と筆圧ビンタしたくなーる。

「メンヘラほいほい」がステータス化した背景

では、なぜ本来「避けるべき地雷」であるメンへラ女子に好かれることが、自虐風自慢として成立するようなステータスに進化したのでしょうか?

彼らにヒアリングを重ねると、ひとつの理由として「メンヘラの女の子はかわいい子が多いから」という理由が浮かび上がってきます。

「メンヘラはなんだかんだかわいい」という言説は主にインターネット大陸で広く見られるもので、3月3日現在、Google先生に『メンヘラ かわいい』で聞いてみると約 707,000 件 (0.53 秒)がヒットします。

この「メンヘラはかわいい」という前提があるからこそ、「メンへラほいほい」という属性は、「かわいい女の子に執着される自分」という自虐風自慢として成立します。

だから「自称メンヘラほいほい男」は、「えっそれってメンヘラなの?違くない?」と思うようなレベルの女子でも全部「メンヘラ」扱いするのです。

「依存されて頼られる俺」自慢して、自分をすごく見せる

じゃーなんで「メンヘラほいほい」なんて業を自ら背負い、自虐風自慢をかますのか?つまりは「俺は精神的に弱くてかわいい女の子に頼られるような男ですよ」ってことを言いたいだけ。

外的効果

  • 自分は頼られる存在であるとアッピルができる
  • 「困ってるんだよね~」と言いながら自分語りができる
  • 属性としてキャッチーなので、話し相手の気を引き主役になれる
  • 「メンヘラ女子」が持つコンテキストによる自慢ができる
  • 何もしないのに寄ってきちゃって…という”選ばれる俺”自慢ができる

内的効果

  • 自分より「下」を作ることで、脆弱なプライドと自信のなさを補強ができる
  • 「まともな人に相手にされない」という現実のつらさから逃避できる
  • 誰からも相手にされない男ではないという現実逃避ができる
  • 見下す対象をつくり「俺は頼られている」という自己認知の補強ができる

そう、「メンヘラほいほい」を自称することは自己愛を満たすのに有効です。

「自分が規定するメンヘラ女子」という想像上の生き物を生身の女に憑依させて、それを供物に「すごい俺」を召喚するという真っ黒☆暗黒魔術をキめています。

不安な女子、自信がない女子がターゲット

自称メンヘラほいほい男は、精神が不安定な女子、自信がない女子、ストレスにさらされている弱い女子(だけどガチメンヘラというほどじゃない)をターゲットにします。

「周りに頼れる人がいない」「誰かに頼りたい」という気持ちを、自分のために利用するのが彼ら「メンヘラほいほい男」です。彼らは「相談に乗るよ?」という言葉と深夜2時の電話に応えるという時間コストをかけることで信頼を得て、その見返りとして「メンヘラに頼られる自分」という報酬を得ます。

メンヘラほいほい男から、メンヘラ女子とのLINEを見せてもらったことがありますが、基本は夜中1〜2時台でも5分以内に即レス。これだけのコストをかけるのは相当の手間でしょう。それだけの労働コストに見合うだけの心理的報酬があるのだと思われます。

そしてこういう「弱っている女子」をターゲットにする男性は、実はとても多い。ヤリチンしかり、不倫おじさんしかり、宗教勧誘しかり、悪徳スピリチュアルしかり、女体に興味ある非モテしかり、実に多くの人たちがこうしたカモ女性に寄ってきます。

精神ハードルが低いうえ、ほとんどノーと言わず、主導権を取りやすく、自分たちが望むさまざまな報酬(セックス、金銭、自己愛)を得やすいですからねー。

メンヘラほいほい男の場合は「自己愛」「セックス」がだいたいターゲット。わかりやすい。

「依存されて頼られる俺」自慢するのは、自信がないから

「つい放っておけなくて助けちゃうんだよね〜」と彼らは口では言いますが、相手のことを「メンヘラ」と言って飲み会でうれしそうに話題にしているあたり、とてもではないですが相手のことを心配して助けになろうとしている感じはうかがえません。

「どうすればいい?同じ女性としてどう思う?」と言われたら真面目に答えもしたのですが、「メンヘラほいほい」と言ってLINEを見せてきた男性はそりゃあうれしそうに自慢するので、「あかんやつやこれ」と笑顔で精神シャットダウンを決めました。

このように、彼らは自分に相談してくる女性を見下しています。

なぜこうやって自分より下位の存在を作り出そうとするのかといえば、彼らはホモソーシャルの序列関係にどっぷりはまっていて、「男としての自信がない」から。

能力がない、ステータスがない、金がない、モテない、ヤレないと言ったさまざまな理由により「自信がない男性」は、「モテて権力がある人間が上」というホモソーシャルの序列で少しでも上に食い込むために、「メンヘラにモテる」という裏ワザを駆使します。

「女が寄ってくる」というホモソーシャル勲章

つまり、マッチョ思想に飲まれ、まっとうなモテを引けない人間が逃げ込む先が「メンヘラほいほい」という便利な属性なわけです。「年下にしかモテないんだよね〜」も同様。自分より明らかに下で安心できる女と関係を持つことで、「女関係がある」というホモソーシャルで評価される事実を作ろうとしています。

周りからすれば何得?と思うような「メンヘラモテ」でも一定のパワーを持つんですよね。ホモソーシャルの中では、「女が自ら寄ってきてる」という事実が価値を持つ。

メンヘラと呼ばれた女性たちは誰かに助けてもらいたくてすがっているのでしょうが、それは彼らにとっては勲章となっています。

結論:「メンへラに好かれる」が出たら目をそらさず後ろに下がれ

このように、自信のない男性が「人に頼られる自分はすごい」という相対評価に走り、彼女たちを利用して自信を補強しようとしている図がお分かりいただけたかと思います。俺様でなくても精神構造が非モテでも「女を見下す」ことで「男の尊厳」を守ろうとする人はいます。しかもかなりの数ね。

誰もが誰かに必要とされたがっているし、頼られる自分でいたい気持ちはわかります。でもね、それを婚活パーティーやら合コンやらでろくに知りもしない相手に「俺、メンヘラほいほいなんですよ~」と笑顔で言ってしまう自意識はもうかなり重症なんですよ。少なくとも私は、自称「メンヘラほいほい」という男性のうち友達になりたいと思った人はただの1人もいませんでした。強烈な自意識の被ばくは1日2時間が限界です。ムリムリ。

彼らのような、自信がないために見下す対象を作りたがる人、まちがったプライドに固執している人は、見下しマインドから抜けることができないし、この手の人と関わると相手の「認知の歪み ザ・ワールド」に巻き込まれるだけなので、もし出会ってしまったら、可及的速やかに目をそらさず笑顔で「すごいね~☆」と褒めちぎりながら、後ろに高速撤退することをお勧めします。

たまに10%の希少種である「マジでメンヘラほいほいしてしまう人」に出会ったら優しくしてあげましょう!お疲れ様です!ぱぷりこでした。

イッタランドの生息地

 

 「メンヘラほいほい男」はたぶん、こういうのを求めているんですよね。仕事とセンスがめっちゃある社会不適合メンヘラ美女が自分に全力で依存してきてひゃっふーひゃっふー♡ってやつ。しかもそこはシギサワさん、美女が双子で2人から言い寄られるという、マシマシどんどん♡な素晴らしい盛り方を見せてくれます。ちなみにあまりにも高い自意識腐臭により撤退せざるをえなかった編集者男性も、シギサワカヤさんを崇めてました。あうあう。

先生の白い嘘(1) (モーニングコミックス)

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こちらは残り10%の「メンヘラ製造機男」が登場します。主人公の美鈴がレイプされて関係を続けている「親友の婚約者男」がわかりやすいサイコパスで、周りの関わる女をどんどんメンヘラ化させていて、しかも本人は「これだから女は面倒くさい」と思ってる。メンヘラになっていくぶりがすごいよ!最近ではぶっちぎりおすすめのサイコホラー。

危ノーマル系女子 1 (メテオCOMICS)

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 主人公のシンヤの周りには危ない女ばかり。ストーカー女、異常なシスコン、連続殺人鬼、誇大妄想女などなど。異常系な女たちに囲まれて”羨ましくない”ハーレムを形成する男と危ノーマルな彼女たちのお話。シンヤくんには「メンへラほいほい」の称号を全力で与えていきますよ!ま、本人のキャラクタは今後暴かれていくのでまだ油断は大敵なんだけどね☆

邪道モテ! オンナの王道をゆけない女子のための新・モテ論

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