妖怪男ウォッチ

恋愛文化人類学が趣味の外資アラサーOLによる、ラブ魔窟サバイバル記録。

まだ外食で消耗してるの?外食より内製派のアラサー女がススめるレシピ本7選

先に言い訳していいですか?

タイトルを使いたかっただけです。

 

こんばんは!最近Twitterでブログでも外食・美食界隈が血を血で洗う抗争を繰り広げていて震えているぱぷりこです。TLにはレストラン名がずらりと並び「ほぅ…」と目を細めながら眺めています。

美食は宗教。その熱き魂の欠片に触れよ。

トイアンナさんのエントリを発端に、美食の狼煙がはてなを襲った…。この衝撃はあのサイゼリアフルコース活用ブログ以来である。

キラキラ女子はおいしいもので作られているのよ問題

また、美食クラスタの殴り合いとは別に、キラキラ女子アカウントの殴り合いも同時開催。第1弾の流れと、やり玉にあがった恵比寿「Aoyuzu」についてはヒデヨシさんのこちらの記事をドゾー。

ゆっちさんの「24歳、都内女子高上がりのキラキラステータス持ちでもこのくらいのお店で喜ぶのは普通」という殴り込みに対して…

ちゃんと「かわいい」キラキラはこの程度の店では納得しないわよ、という東京姉妹さんのシンプルな切り込み。

うーん、マンダム。

ていうか、みんなよくおうちから出ていくね…私はそれがびっくりだよ…年をとるごとに引きこもりが加速し、あまりに外に出たくなさすぎてワインと食材をネットで買いあさり、人をワインで釣って家に呼ぶようになった私としては、皆さんの美食宗教には震えるばかりです。

というわけで、タイトルの一語を書きたいがために、残りの7000字を書きました。ご賞味ください。

本エントリのつくりかた(4人分)

  • 筆圧:8000グラム
  • 白ワイン(業務中):1杯
  • 妖怪エキス:大さじ3杯

 

1.miumiuのバッグを持って食べたいおうちフレンチ

アラン・デュカスのひと皿フレンチ 魚 (LECON日本版)

アラン・デュカスのひと皿フレンチ 魚 (LECON日本版)

 

はい、1冊目はこれ。御大アラン・デュカスのレシピ本です。てめー結局そこかよ!と殴らないで!!!

 ちなみにレシピ考案者は別人で、監修として表紙に堂々と名前が載っているだけです。「詐欺じゃねぇか!」と思ったそこのあなた、ちょっと待って!

このレシピ本の何がいいかというと、「一皿フレンチ」と書いてあるように、料理写真としてお皿に乗っているものすべてのレシピが載っているところ。写真を見て「おいしそう!」と思っても、付け合せレシピがなくて1つの料理本で完結しない、という経験をしたことあるでしょう?それがない。すばらしい。そして付け合せのクオリティも高い。また、食材も手頃で手に入りやすいものが並んでいるのもいい。

個人的にはサーモンのタルタルとブリーニが大ヒット。簡単にプラス1の料理が出せる上に彩りも美しく、美味しくてワインがぐいぐい飲めてしまいます。

「フレンチは心的ハードルが高いです…」「アラン・デュカスとかミーハーwww」と思わず手にとってみてください。とてもわかりやすいので、レシピ数を増やしたい方にも初心者の方にもおすすめです。

アラン・デュカスのひと皿フレンチ お米 (LECON日本版)

アラン・デュカスのひと皿フレンチ お米 (LECON日本版)

 

上記の「ひと皿フレンチ 魚」がよかったので買おうか案件。そのほかのシリーズは今のところないようですが「肉」編などその他のシリーズが出ればいいなぁ…と思うものの、発売日を見ると望みは薄いか…。

 

2.ワインは吐血するものじゃない、ごはんとマリアージュさせるもの

テリーヌ&パテ

テリーヌ&パテ

 

テリーヌとパテが好きで好きで好きで好きでたまらなく、そのためだけにビストロに行っているのでは?疑惑&もっと手軽に家でも作りたい…という素直な欲求から購入したのがこちら。豊富なカラー写真を使い、手順を細かく説明してくれているので、文字通り「本格レシピを手軽に」作れます。

これを家で作って食卓に並べて食べられるという満足度はなかなかです。来客がある週末などに作りますが、ドヤ顔できます(ドヤア)

「ワインは一緒に合わせるごはんを考えて選ぶ」ことは、家で一緒に合わせる料理を作ることで覚えていったと思います。世の中には高いワイン=いいワイン=料理のことは一切気にしなくてもいけると思っている金持ちはいますからね(しかし経済を回しているのでそれはそれでよしとしている)。「彼氏、『この店で一番高いワインを』と毎回いちばん偉いソムリエを呼び出して頼んでくれるの~♡」というキラキラ女子の自慢を「マリアージュをなんだと思ってる……」と怒りの白目で聞いていたら、案の定「いいところに連れてってもらえないから嫉妬しててヤバイ。いいもの食べないと心が貧しくなるから…」と陰で言われていたことを思い出しました。うふふワイン吐血。

さて、このレシピ本は、これ1冊を手に入れればこの手の保存食には困りません。肉・魚類のレシピはもちろんのこと、野菜やデザートの項目では季節の食材をつかったレシピがあるので、「あ、次これ作ろう」と季節ごとに思えるのがいい。

これまで作った中では「キノコと鶏のテリーヌ」がすんごーーーーくおいしかった!キノコを丸ごと入れてつくるため、断面が美しく、鶏ベースなのであっさりしながらも日が経つにつれ味が凝縮されていくのでしばらく幸せ♡

 

3.ヤリチンもズボラ撒き餌女子も大好き☆ル・クルーゼ

ル・クルーゼで料理(1) 15分でつくる編 (天然生活ブックス)

ル・クルーゼで料理(1) 15分でつくる編 (天然生活ブックス)

 

ル・クルーゼは遊び人にも大人気。「ちょっと多く作りすぎちゃったから」といって未即の女子を家に呼ぶ格好の口実になります。「大学生の時、親が引っ越し祝いにくれてさ」と言えば「過去の女が持ってきたわけじゃないのね良かった♡」ともなるし、「ただ煮込むだけでおいしい」&「煮込み料理は作れる程度に料理ができるけど引くほどスキルが高いわけじゃない」&「インスタ映えがする」という抜け感あふれる演出を提供する最強鍋。

 ル・クルーゼというとじっくりコトコト時間をかけた煮込み料理♡というイメージがつきますが、このレシピは「15分でおいしい料理!」というコンセプトで作られています。「ここに乗っているレシピは全て15分…」と思うだけで喉がゴクリとなりますね。

写真が多くて見やすく解説がわかりやすいので、料理初心者でも余裕。日常使いしてちょっと汚してしまっても心が痛まない絶妙な「普段使い」感を醸し出している点がお気に入り。

ぶっちゃけル・クルーゼがなくても作れるので、少しの手間でお洒落料理を求める私のようなズボラなあなたにお勧め☆

 

ル・クルーゼで料理(2) ゆっくりつくる編 (天然生活ブックス)

ル・クルーゼで料理(2) ゆっくりつくる編 (天然生活ブックス)

 

先ほどは15分でつくれる日々の料理でしたが、こちらは「ゆっくりつくる編」とあるように、時間をかけた煮込み料理が基本です。だいたいどれも1.5~2時間の料理です。簡単にできるうえにレストランのような非常に「手の込んだ」味に仕上がります。幸せ。

お気に入りは「豚ときのこのバルサミコ煮」。バルサミコの酸で豚肉が驚くほど柔らかく仕上がり、酸味と煮詰めることででる甘味によるコクがもーーーー最高。これからの季節飲み残したワインでワイン煮を量産するので、「牛すじの赤ワイン煮」→「水なしで煮込むビーフカレー」のコンボが唸るぜ。

 

4.このうまさ、恐ロシア

きょうはロシア料理

きょうはロシア料理

 

ロシア料理大好き!今でこそだいぶメジャーになりましたが、その昔ピロシキを初めて食べた時の感動は今でも忘れない…(ロゴスキーが一番おいしいと思う)。

さて、こちらの料理本は非常にお手頃なお値段で600円台。ロシア料理や東欧料理は肉や野菜をふんだんに使っていて日本人の口に合うものが多い。また、「日本で簡単につくれるロシア料理」という点が重視されているため、「どこで買うのこのキノコ…黒い森…?」みたいなことが起こらないのがイイ!私は特にペルメニが大好きなのでよく作って食べております。ウマー!ウラー!

内容構成は、「前菜+穀物料理」「野菜料理+魚料理」「肉料理+デザート」で、おうちでロシアンフルコースを仕上げられます。

馴染みのない料理だと、自分の手持ちのレシピとどのように組み合わせればいいのか?という部分が想像しにくいと思うので、1つのレシピ本で完結するという作りは親切で好感が持てる。

不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫)

不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫)

 

ロシアといえば米原万里。彼女のエッセイは好きで全部読みました。この筆圧と知識

心のそこから憧れる。この方のソビエト・トイレ話が壮絶すぎて大好きだから、私はよくウンコとか書いちゃうんですよ(言い訳)。

亡命ロシア料理

亡命ロシア料理

 

勧めた人全員から「やばい面白すぎる!」と大絶賛のひそかな名著。「おたまを持って鍋の前に立つとき、自分が世界の無秩序と闘う兵士の一人だという考えに熱くなれ。料理はある意味では最前線なのだ ………」という謎にアツイ序文とともに、目次と本文がブラックユーモアに満ちていて最高。「塩を振り、弱火にかけて、その場を離れる」とかいったい何の料理なんだよっていうね。

 

5.リラックマ恐怖症の私でも作れるホットケーキ

しろくまちゃんのほっとけーき (こぐまちゃんえほん)

しろくまちゃんのほっとけーき (こぐまちゃんえほん)

 

「 レシピ本じゃねーだろ、絵本だろ」とツッコミをしたそこのあなた、正解です。ですが、不正解です。これはホットケーキの教本です!

材料を用意して、道具をそろえて、割って・まぜて・焼いて…という一連の工程をきちんと記しており、これの通りに作るとちゃんとホットケーキができるのです。

本をめくるだけでお腹が減り、涎がたれ、今すぐホットケーキを!と台所に走り出したくなる気持ちにさせてくれる。魅力的なレシピ本は「これを作りたい」と思わせる力を持っています。その意味でこれは立派なホットケーキのレシピ本。

幼少の頃のピュアな自分(もう遠い過去だよね)を思い出しながら、おいしいホットケーキをつくるのはいかがでしょう?食事とは思い出と結びついてこそ美しいのだ…ということをもう一度思い返させてくれる1冊。

唯一の難点は、表紙のクマがリラックマを彷彿とさせる点でしょうか。もうね、ダッフィー好きとリラックマ好きのアラサー女子の地雷率がやばい。モテ自己愛女子がリラックマのスタンプを多用しており、リラックスしているクマ形状のものを見るたびにリラックマ発作が出るようになりました。訴訟。なんだろうね、見た目かわいいんだけど裏にチャックがあるあたりに、シンパシーを感じていたのかね。でもこの本はちゃんとピュアだから、だから私も発作が出ずに済むんです。ありがたみ。

ぐりとぐら [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集)

ぐりとぐら [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集)

 

 絵本シリーズといえばぐりとぐらのホットケーキも魅力的すぎますな。

だいすき! 絵本からうまれたおいしいレシピ (e-MOOK)

だいすき! 絵本からうまれたおいしいレシピ (e-MOOK)

 

 概ね高評価なのに「ぐりとぐらのは許せない」というコメントが並んでいて吹いた。

 

6.「適量の定義を決めよう」と言っちゃうコンサル脳のあなたへ

ここまで一貫して「見ておいしい、作って楽しい、レシピ本」をご紹介してまいりましたが、異色のこいつを紹介しないわけにはいくまい。

料理の本であるが、おいしそうな料理の写真が載っているわけではない、という独特の世界観を持っているこの本。ネタ本だろと思って中身を見ると、「料理が苦手な人向けに懇切丁寧に解説している」解説書でした。レシピというより手順書。理系男子って料理を作ると「再現性の揺らぎ幅を限りなく減少させる…それが料理…」とかいうよね。なんかそんな感じ。

この本は、超・初心者にオススメです。メシマズ伝説は読み物として大好きなんですが、メシマズ・超初心者がつまづくのは「あいまい用語」。「適量」とか「少々」とかね。その点、この本は親切で「定義」をちゃんと教えてくれます。

定義へのスティッキネスぶりは、さながらコンサル男のよう。「前提は?」「いつ時点の話?」「そう思った根拠は?」「君にとっての“付き合う”の定義を教えてくれないか」「僕は君が好きだけど、君はどう思っている?コンセンサスを取りたい」という口調で「適量の定義は?」と聞いちゃう定義フェチのコンサル脳男子&女子にはオススメ。

Cooking for Geeks ―料理の科学と実践レシピ (Make: Japan Books)

Cooking for Geeks ―料理の科学と実践レシピ (Make: Japan Books)

 

 似たようなところだとこんなのも。知り合いのエンジニア男子から教えてもらいましたが、まさにエンジニアの思考回路そのもので笑った。理系男子、プログラマ男子を狙ってる(でも接点がない)女子は読むといいですよ。

 

7.今日の料理は茶色とか言わないで。今年らしくキャメルだねって言って。

和食って家庭料理とお店の味のクオリティと手間暇の差がありすぎて、家でつくると「茶色い…ブラウン…見栄えが悪い…」となりがち。こちらの本はその絶妙な中間地点を狙った「ありそうでなかった」和食レシピ集です。

さてこのレシピ、お値段お高め?と思いますが、非常に分厚く、コスパ厨の私を満足させる出来。セミプロレベルまではカバーできると思うレベルなので、しょーじきお買い得。

出汁の取り方、素材の処理の仕方などの基礎が丁寧に解説されていて、「なんとなく自己流で」すませていた部分を見直しできます。まぁぶっちゃか毎日毎日出汁もとってられないので顆粒出汁を使うこともあるんですが、それでも「それなり」の味に仕上がるあたりが超・優秀。

出汁をとるとらない論争は、恋愛・同棲・結婚において、お互いの価値観をはかるメルクマールとして機能します。「ハイスペと結婚!」を毎日唱えていたキラキラモテ女子が、「顆粒出汁とか手抜きでしょ」が口癖だった官僚彼と付き合ってた時にも、この話が出ました。「嫁に最適」と思われるため、彼女はこれまでのインスタントをすべて捨て、出汁素振り100本ノックを決行。彼に練習成果を見せようと、食材を吟味した和食を振る舞ったら、「食材が高いんだし、うまいのは当たり前」と一蹴され撃沈。結婚したい彼女は必死にしがみついてたけど、「やっぱり教養が足りない」という理由でフラれてゲームオーバーしました。合掌。

心が引きこもりスペランカーなので、豪華な写真を見るだけで「うっ発作が」となるんですが、思ったより簡単にできる料理が多くて安心しました。「家庭を一歩飛び出した、上品な和食」を作れるレベルの絶妙さはお見事。

いつも「醤油・みりん・さとう・酒」で茶色い和食になる問題に頭を抱えたことがある方はぜひ。

 

 

 

前のキラキラ婚活女子の記事が予想より「重い」「地獄み」という反応を受けたので、今回はライトな記事を♡と思ったはずだったんだけど、筆圧が言うことを聞いてくれませんでした。すみませんでした。やだも〜(東京姉妹のちえさん風)

それではみなさん、よい食卓を!ウラー!

※食後酒としてどうぞ。

おまけ。

ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

 

 具体的なレシピが載っていないので除外しましたが、アイヌの美食マンガです。いやそう説明すると「違うわツキノワグマ投げつけるぞ!」と怒られるんだけど、確かにがっつり血まみれ戦闘描写とかミステリ要素とかあるんだけど、ごはんクラスタとしてはアイヌ飯のおいしそうっぷりに目が奪われるんだっ!!!!!激しい血まみれ戦闘の後、唐突にアイヌごはんをつくり、レシピを解説をし始める少女と戦士の会話に萌える。

イッタランドの生息地